ジャニーさんの大好きなジャパネスクをひたすら3時間。しかも目を離す間がないくらい次から次へと繰り出されるパフォーマンスにお口が開きっぱなしでした。まさに「3分に一度の衝撃」。歌舞伎座の前で写真を撮ってる外人さんたちを連れてきて見せたい感じです。絶対うけると思う。ジャニーさんの作るジャパネスクって純粋に和というよりも、外から見た日本・日本より日本らしいもの、みたいな感じがするので。
【ショー+ストレートプレイ+ライブ】という構成になっていてそれぞれが独立しているため大きな矛盾や意味わかんねー!みたいな感覚に襲われることは一切なし。本能で楽しめました。何しろセンターに立ってるのが天下のタッキーですからね。間違いないです。ところどころ(というかけっこう頻繁に)デジャヴを感じてしまうのは私が座長信者なので仕方ないですね。帝劇では見なくなってしまった数々の演出と感動の再会が果たせました(笑)。
ちなみにお金がないので3階席からの観賞でした。なので花道はまったく見えず(泣)。でも何度かタッキーを間近で見られたので大満足です。タキ様の愛はどの席でも割と満遍なくふりそそいでました(笑)。上から見下ろすとステージ上の機構の動きが見られて楽しいし。もちろん1階席正面で見るに越したことはないのですが。
演者に若者が多いので客層も中高生(とその保護者)中心。それと普段から歌舞伎を観に演舞場に通ってらっしゃると思われるマダムもたくさんいました。そういう方々にも観てもらえるのはうれしいことですよね。客層が若いだけあって、劇中何度も黄色い歓声が上がってました。劇場でキャー!とか聞くとは思ってませんでしたよ。この舞台はそんな堅苦しい感じじゃないしさほど気になりませんでしたが。
そうそう、この公演にはエイトの面々(錦戸さん除く)がいらしてました。ショータイムにはステージに上がってらして、お得感たっぷり。ええもん見た(笑)。エイトの皆様を生で見るの初めてかもしれない。
第一部 ジャ【PA】ニーズ【Hi】Story 日本昔ばな史もうこのタイトルがジャニズムに満ちてますが(笑)、中身はさらに濃いジャニーズワールドでした。テンション上がります。一応パンフには演目が記載されているのですが、一つ一つのお話が区切られているわけではなかったです。流れに乗ってたたみかけるように次々と進行していきます。それに合わせて目まぐるしく変わるセットと滝沢さんの衣装は圧巻です。
横山さんが弁士として多く活躍されてました。彼の声は意外と通るし滑舌も良かったです。意外とか言ってごめんね(笑)。エイト二人の台詞回しは全体的に聞き取りやすかったです。
記憶があるものに関して少し感想を。
『春の踊り』忘れたけど最初のほうで大倉くんがスネアドラムを、タッキーがパーカッションを披露してました。ちなみにパンフのクレジットに「パーカッション指導:石川直」の記載アリ。大倉くんありきのドラムなのか、ジャニーの中でドラムブームなのか…。
『山寺の和尚さん』これはたしか『道成寺』ぽい内容だった気が。女ばかりの客席に向かって「嫉妬に狂った女の怨念が…」とか言うのは楽しいと思いました。ちょっとしょぼめの竜も拝めましたよ。やあ、久しぶり(笑)。幽霊(貞子っぽい)の群舞はなかなかシュールでした。それから一反木綿(赤!)も飛んでました。
『滝沢隊長と白虎隊』そういえば藪くんと八乙女くんも出演してたのですが、最初のほうはまったく気づきませんでした。だって私の知ってる二人はもっとちっちゃくて声の甲高い子供の二人だったんだもん。ステージに立つ彼らはすっかり大きくなっていて声も大人の声になってました。この演目は燃え落ちる城が印象的。ここに限らず殺陣のシーンが頻繁にあるのですが、やっぱりちびっこたちには難しいよね。その中で滝沢さんがさすがの貫禄を見せつけてました。白虎隊が勝った!?と思いきやいきなり銃で撃たれて壊滅、というおなじみのパターン。
『MASK』でました、大本命(笑)。うっかり座長の幻が見えましたよ。後ろ手から傘や扇を出すのは見事ですね。タキ様とダミーが入れ替わるのとか丸分かりで切なくなりましたが。ここじゃなかったかもしれませんが、箱から金色の蛇腹の紙をだーっと出すやつ(わかりづらい)もやってました。出す前に箱から火が出る演出とかはありませんでしたが。それ以外にも火を使う演出は一切なくなってました。でも特に違和感や物足りなさはなく。火がなくても素晴らしいステージでしたよ。
『滝の白糸』〜『男の花道』〜『七変化』この辺りでタキ様の女形披露。…の前に森光子御大のナレーションが入ってました。冒頭にあることは知っていたのですが、まさか中盤にもあるとは。滝の白糸を「タッキーの白糸」などと言っていて、申し訳ないですが失笑でした。タキ様の女形は、実はポスターを見た時点ではちっとも美しくないじゃんと思ってました。ごめんなさい。実物は本当にカツラをかぶっただけで化粧もしていないのですが、ポスターよりそのほうが良かったよ。仕草や振る舞いがちゃんと女形だったのできれいに見えました。どうでもいいですが、水芸や雨を降らすシーンで床に敷かれていた防水シートが不思議でした。水溜りになっても大丈夫なんだけど、別に吸収してるわけじゃないの。でも水しぶきはあまり飛ばないようになってる。ほんとにどうでもいいんだけどね。
どこだか忘れたけど・みんな靴じゃなくて地下たびみたいなの履いて踊ってる。
・タップはもちろん下駄ップ。
・帝劇でさんざん衝撃を与えてくれた巨顔ふたたび。こわいよー。
・ABCのダンス&アクロはさすが。私の目の前で塚田くん(違ったらごめんね)が宙乗り。Gロケさんと張り合うほどの技を見せてました。しかも笑顔だよ…すごすぎ。タキ様はバンジーなさってた。あれって頭を下にしてまっさかさまに落ちるんだね。すごいです。
・布の中から次々と人を出して、最後は自分も出て来るマジック、台の上に寝かせた人に布をかけて宙に浮かせて消すマジック。アニキのお姿が浮かびますわ…。
・藪くんが横山さん扮するおじいさんに昔話を聞くという流れでショーがスタート。ここでの「むかーし、関ジャニエイトというグループがあってのう、わしが一番男前やった…」というのはアドリブなのかな。
・社長ショーマストゴーオン好き過ぎ。滝沢さんに「芸人は一度舞台に上がったら何があっても芸を続けねばならぬ!これぞ芸人魂!」などという台詞を吐かせてました。
第二部 義経これは大河でやったストーリーとは別物。演舞城オリジナルなのかな。きちんとした劇です。平家と義経のママと義経の想い人は役者さんを使ってました。ジャニーズだけでかなり大勢出演者がいるのに、その上役者さんや男女のダンサーさん、Gロケさんが出演されてるなんて豪華だなぁ。
前半の牛若時代までが一幕。五条大橋での弁慶とのやり取りは超あっさりでした。弁慶あっさり観念しすぎだよ。
そして二幕は元服後。義経の後半はハムレットが下敷きになってました。というかあのシーンとセリフが使いたかっただけだろ(笑)。まさか演舞場で「父上!」とか「満天の星よ!」とか聞けるとは(もちろん時代劇風にアレンジしてありました)。ストーリーとしては、立派に成長した義経が「戦は本当に必要なのか、戦うべきなのか」と悩んでいるところに父の亡霊が出て来て「兄と協力して平家を討ち平和な世を!」と説く。そして義経は戦に出向くことを決意。戦うことが平和な世を築くため、そして何より瞼の母のため。壇ノ浦で平家の娘(こずえ)と出会うが、心優しき義経は逃がしてやる。二人に芽生える淡い恋心。合戦のなかで母上と感動の再会、そしてこずえとも。しかしこずえは実の妹だった。愛し合う二人だが別れを決意。最後に舞を舞っているところにこずえも殺されてしまう。最後は兄・頼朝に裏切られ義経も非業の死を遂げる…という感じ。母との再会シーンはすごかったです。役者・滝沢秀明を見ました。最後には「戦は愛する人の死しか生まない。何の意味があるのだろうか。ただただ虚しい!」みたいな義経の独白が。平家を討って天下を、じゃなくて平和な世を…ってどんな反戦メッセージだよと(笑)。でも見ごたえ十分な時代劇でした。
途中、弁慶の鎌の刃先が無いのを義経につっこまれて笑いが(柄の部分だけ持って立ってる大倉くん)。「これでどうやって戦うんだよ、平家は強いんだぞ!」「…直しときます、こんなにくいつかれると思わなかった(笑)」と。その鎌で見得を切るも場内から笑いが。あわてて刃先を隠すようにはけていく弁慶。アドリブなのかなあ。アドリブらしきものはここくらい。
最後にものすごく桜の花びらが降ってきます。片付けるのかと思いきやそのままショータイムに行ってました。花びらを蹴散らしてステップを踏むのがものすごく画的に素敵でした。
第三部 Tackey Worldショータイムです。まずはJr.による歌披露。キスマイフットとか。ABCの歌声を初めて聴きました。なかなか歌えるのね、この子達。大人になってしまった藪&八乙女によるハルナツアキフユは不思議な感じがしました。Fコンでボク羽根をボーイソプラノで歌ってくれた二人はもういないのね(泣)。
そしてエイトのお二人による大阪ロマネスク。この歌本当にいいなぁ。サビのメロディがかなり好きです。「3月15日に発売になりました、かんじゃにえいとのアルバムFTOに入っている曲です」とちゃっかりアルバムの宣伝してました(笑)。
いよいよトリは我らが殿、タッキー。夢物語でゴンドラに乗って上空からお出ましです。これにはびびった。ひさしぶりに「予想外の所から登場してびっくり」というのを体験しました。まさか上から来るとは!! スパニッシュ風味を強くした愛想曲のときは、いつボルサリーノを投げてくれるのかとわくわくしながら見てたのに投げてくれなかった…(私はボルサリーノが弧を描いて飛んでいくのを見るのがすきなのです)。あとは私の知らない曲も3曲ほど歌ってました。勉強不足ですいません。ヴィーナスの時には客席にいたエイトメンバーがタッキーの紹介によりステージ上に。バックで一緒に踊ってました。かなりぐだぐだでしたけど(特に村上さんとすばるさん)。更にその一歩下がったところで踊っている横山さん大倉くんの少し照れくさそうな感じがかわいらしかったです。豪華だなぁ。エイトさんたちは曲が終わるとそそくさとステージを後に。フィナーレには金テープも派手に飛んでました。毎日飛ばしてるんだろか。
とにかく豪華絢爛、これでもかというほどのサービス精神に満ちたショーでした。
滝沢さんの貫禄、そして華っぷりも見事。
なんとなく思ったのは、この滝沢演舞城は、タッキー主催の寺子屋みたいだなと。たくさん子供達を集めて、ショービズの基礎を教えてあげるの。タッキーはきちんと小さい子たち一人一人の目線に立って優しく導いてあげるイメージがあります。いい兄貴分というか。座長はちびっことどう接したらいいか分からなくて持て余しそう。「ついてこれるやつだけ、ついてくる気力のあるやつだけついて来い。現場の空気や上手いやつの背中を見て学べ。」みたいな親分的イメージが座長にはあります。どちらも後輩への愛は溢れてると思うのですが。
というわけで、かなり楽しめました。
素敵なショーをどうもありがとうございます。
千秋楽までがんばってくだされ。